ちょっと古いニュースですけど・・・良い具合に発酵してきたので
軽く転載:
「全国に広く流通」「全国の書店から注文できる」などとうたった自費出版ビジネスをめぐり、著者と出版社の間でトラブルが持ち上がっている。著者のなかには「ほとんど店頭に並んでいない」と不満を訴える人もいる。4日午前、3人の著者らが、「本が店頭に並ぶと誤解させられて契約した」として、大手自費出版社を相手取り、出版代金計約800万円の賠償などを求めて東京地裁に提訴した。
前にも同じような事がありましたが、ちょっと自費出版について考えてみましょうかね。
まず、出版をするという意味ですが、出版社にとっては出版すると言うことは、究極的にはお金儲けなわけです。(まぁ、ビジネスですから当たり前ですね)
一応、もっともらしく「文化的なほにゃらら」とか付けるところもありますけど、んなこたぁありません、ほとんどの出版社は本を売って金を稼ぎます。
無論、中にはもうちょっとわかりにくい収益方法を上げる出版社もあります。
その中で昔からあり、出版社にとっていちばんリスクが低いと言われているのが、件の「自費出版」って言う奴です。
出版社の巧みな話術によって、大概は掛かる費用の2倍以上の金を吹っ掛けられるのが上等であり、出版素人にとっては向こうの良いなり状態になるわけですね。
では、出版に掛かる費用っていうのを真面目に考えてみることにします。
まず、著作権ですが、通常本の出版にかかる著作権は8〜12%程度だと言われています。
つまり、1000円の本が売れた場合、著作者には80円のお金が落ちてくるわけです・・・まぁ通常はミニマルライセンスという奴である程度の部数を先に払ってしまうのが通例ですね
次にデザイン・レイアウト費ですが、これは本の種類によっても大分変わります。
例えばちゃんとしたところにお任せする場合、ページ単価2,000〜4,500円程度はかかるかと思います。
この部分、単に辞典的なもので流し込みだとすれば、誤字脱字一切見ないという約束においては掛かっても精々2,000円どまりでしょう。まぁ、こういった自費出版の出版社の場合、内注でやってしまうんでしょうね。それでも200ページ程度であれば、10〜20万程度で収まるんじゃないでしょうか?(実際本のレイアウトによって大分変わりますし、写真集なんかは却って掛かるかも知れません)
そして、コストの中で一番金が掛かるとされているのが印刷費です・・・・・まぁ、モノクロ印刷でB5変型程度を3000部程度刷った場合ですが、大体4〜50万程度でお釣りが来ます。(この辺は対個人の場合と対出版社の場合とで違いが出るので、見積を多数の印刷所から取るのが良いでしょうね)
ちなみにカラーの場合は、大概モノクロの4倍程度を吹っ掛けられることも度々あります。
んで、最後に営業費って言う奴です。
実はこれがくせ者で、色んな要素がひっかぶってきます。
例えば、倉庫代、人件費、経理決済、その他諸々。
で、ぞくにいうISBN CODEっていう、本を本にたらしめるものですが、これ実際問題金かかりません。
出版社コードを持っている出版社であれば、基本的には無料でISBNコードを収得できるわけで、これに関してはノーマネーとなるわけです。
で、今回問題になっている自費出版ですが、著作権は自費出版ということでかからないわけですし、印刷も多分モノクロでしょう。
倉庫代に関しても、自宅に刷った分の大半を送りつけでしょうからほとんどかからないわけですね。
後の関節営業費ですが、宣伝もなにもしてないわけですから掛かりようが無いわけですから、これもほぼ0計算で行けるはずです・・・つまり、ここで一番金が掛かるのが印刷費・デザイン費で、これが例えば流しっぱなしのモノクロだとすれば、100万も掛からない計算になります。
つまり、自費出版をやっている出版社はぼろ儲けができるチャンスとなるわけです。
実際、有名な文学賞を主催している文学系出版社でも、結構この自費出版をやっているところが多かったりするわけで、文学賞自体がその自費出版用の釣り餌と言われる事も度々あるわけです。
まぁ、個人的な見解を言わせて貰えば、素人がやっていい目なんて見ない魔窟みたいなところなので、自分の本なんて作る暇あったら、Webに公開しといた方がよっぽど人に読まれると思いますよ。
【関連URL】
・asahi.com:自費出版でトラブル相次ぐ「本屋に並ぶと思ったのに」 - 文化・芸能